2022年12月9日金曜日

うずうずチリ・サンティアゴ生活記⑦:いろいろ近況、『にわのすなば GARDEN SANDBOX』見てね!

  先月から現在まで、アルゼンチンのメンドーサ、チリのコンセプシオン、アリカ、ペルーのタクナといろいろなところを移動してきた。長距離バスに乗りまくってさすがに疲れて少し体調を崩したけれど、今は元気になってきた。映画祭にいくつか行って、たしかに楽しいんだけど、ちょっともうお腹いっぱいに感じるときもある。ひたすら映画を見るのは好きなのだが、新しい人に会いつづけるのがたまにきつい。研究調査で来てるのだからグイグイ現地の映画コミュニティに入るべきだが、元来私はあまり社交的な性格ではなく、仲のよさような映画人たちのグループにひとりぽつんと入るのはなかなかエネルギーを使う。作品を見た後すぐにその作家に会うのも超緊張する。映画祭といってもチリの映画コミュニティはせまいのでみんな顔見知りのようなかんじで、上映前も後もそこかしこでグループができている。みんな親切だから嬉しいのだけど、もっと話せるようになりたい。

 今はペルーとの国境近くにある町アリカにいて、アリシア・ベガ財団がやっている映画教室のワークショップに参加している。また次回のブログで詳しく書くけど、これがすごく楽しい。『100人の子供たちが列車を待っている』のアリシア・ベガの授業を、講師のもとで自分たちで体験しながら、自分たちで教室を開く「先生」になるためのワークショップ。全4回で今週末で終わりなのだが、アリシア・ベガの表面的なメソッドだけでなく、なぜ映画で教育なのか、なぜチリでこれが生まれたのか、よくわかった。もう一度ゼロから映画と向き合いたいと思えるような体験。終わったらまた感想を書く。

 明日は『にわのすなば GARDEN SANDBOX』がポレポレ東中野で公開する。できるなら日本に帰ってスタッフやキャストのみんなと一緒にポレポレのスクリーンで見たかったけれど遠いから残念、zoomで我慢。初号試写を渋谷の光塾で見た時は、終始足がガクガク震えていたのを覚えている。とにかく見るのが怖かった……けど見てみると楽しかった。もう撮影から1年経って周りもだいぶ変わってしまった。早い。でも、『にわのすなば』は何度見ても慣れないというか飽きないというか、懐かしいという感じでもないし、見るたびにうずうずしながら色々な感情になる。自分で出演したので客観的には見れないけれど、パンフレットになるキノコジン2号にも書かせてもらった。この人たちと一緒に書けたらいいなと思っていた執筆者ばかりのすごい読み物のはずなので手にとってほしいです。
普通の映画でないことは確かなので、みなさんが見てなにを思うかとても楽しみなのです。感想、できたら教えてくださいね。